実習 

自然生態系の実習は、2年生を対象とした「生態学実習」が最も基礎的な実習です。3年生を対象とした「野生生物調査実習」はやや応用的な内容を含んでいます。実習では、野外での振る舞い方、科学データの取り方、扱い方、データ解析の方法だけでなく、レポートの書き方、結果を説明し発表する方法まで複合的に学びます。班のメンバーと協力しながら、データを収集しまとめる必要もあります。これらをステップとして、学外での実習「亜寒帯生態系フィールド実習」ならびに「亜熱帯生態系フィールド実習」を行っています。安全面への配慮から、これらの実習は履修人数を制限する場合があります。

 

自然生態系の4つの実習 

生態学実習 (2年生対象)

早春の光風園で、各種温度計の使い方、照度計の使い方など簡単な環境測定法から学びます。野生動物の定性的な観察データの記録法や、生態系や生物多様性を定量的に理解するテーマとしてラインセンサスやコドラート法による食性調査、地上徘徊生動物を対象としたピットホールトラップ調査、行動生態学の基本として動物園を利用しての行動の時系列記録法などの学習が行われています。

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野生生物調査実習 (3年生対象)

生物を直接扱い、測定したり種同定を行ったりする内容を多く含みます。 鳥類の調査ではラインセンサス法や定点観測法を学びます。水生昆虫調査や土壌動物調査においては、採集された生物を同定し、個体数を数えてデータをまとめます。動物標本測定法では、動物の測定法や測定値の比較方法の他、野生動物からのDNA抽出法やその資料を用いたPCR法などの学習が行われています。

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亜寒帯生態系フィールド実習 

2年生の2月に極寒の世界自然遺産知床での実習を行っています。斜里町立知床博物館では、レクチャーを受けた後博物館の裏側を見学するなどして、知識を深めます。また、先輩も活躍している知床財団にお世話になり、観光地としての知床、増えすぎたエゾシカへの対策、ヒグマとの共存の難しさなど、最前線で活躍している方々から話を聞きながら現地を歩き、事前学習からさらに理解を深めます。スノーシューウォークでは札幌とは違う自然の厳しさを体感します。

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亜熱帯生態系フィールド実習

3年生の夏休みに西表島にある東海大学の沖縄地域研究センターにお世話になりながら、実習を行っています。陸と海の繋がりを学ぶため、シュノーケリングで海のなかを覗き、トレッキングで山に登ります。また、多くの生物を観察し、記録を取ることで、北海道とは異なる生物相を体験を通して知ることができます。環境省の西表野生生物保護センターの見学やレクチャーを通じて、イリオモテヤマネコの保護管理の実際や、島の生態系に影響をおよぼす外来種の問題にも理解を深めます。

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