亜寒帯生態系フィールド実習

 世界自然遺産、知床で実習を行なっています。

 


2020年度の実習を紹介します

 宿泊を伴う実習は、コロナの感染拡大状況や知床の受け入れ状況から難しいと判断しました。知床博物館や知床財団のご協力をいただき、札幌と知床をオンラインで繋いだ実習をおこないました。札幌ではプロジェクターを利用して知床側を大きな画面にうつしながら学びました。知床側に学生みんなの反応がわかるよう、ビデオカメラをWebカメラとして利用するなどの工夫をしました。また、実際に体を動かし、亜寒帯の自然の厳しさを実感する実習として、札幌市青少年自然の家にご協力いただき、スノーシュートレッキングをしながら、鳥類やアニマルトラックの観察や冬の野外調査の心掛け等を学びました。 

斜里町立知床博物館のレクチャー

博物館とは何か?博物館の仕事とは?知床博物館でおこなっている展示の工夫など、具体的に紹介いただきながら学びました。

哺乳類の頭骨の種同定

知床博物館より、アザラシの毛皮や知床に生息する哺乳類の頭骨を送っていただき、実際に触りながら種同定の方法や、アザラシの毛皮の特徴を学びました。

知床財団 ・知床自然センターから学ぶ

科学的な知見をもとに野生生物の保護管理活動を長く行なってきた知床財団の方のレクチャーを受けました。東海大学の先輩の話も聞くこともできました。

エゾシカ、ヒグマ、世界自然遺産知床

エゾシカの数をどのように減らすか、ヒグマと人の距離をどのように保つか、様々な取り組みや対応の難しさをビデオをたくさん見ながら学びました。また、知床に生息するさまざまな生物の様子もビデオを通して知ることができました。

冬の野外調査の心得、装備 

札幌市青少年山の家において、スノーシューウォークに出かける前に、零下となる冬の北海道の野外調査の心得、持っていくべき装備などについて教えていただきました。

スノーシューウォーク

 机の上で学んできたけれど、野外に出るとまた違う世界が見えてきます。樹の幹にどのように雪がついているか、冬にはどのような鳥類が見られるか、1つ1つが新鮮です。

エゾシカの痕跡

前日の降雪で色々な生き物の足跡などはあまり残っていませんでしたが、よく見ると、森にはエゾシカが角を擦り付けた跡がたくさんありました。

 冬鳥

冬鳥として知られるベニヒワが観察されました。前頭部が赤いのが特徴です。

2019年度の実習を紹介します

極寒の知床を体験。斜里町は2月の平均気温が -6.1℃、日中でも0℃を超えることはありません。厳しい自然を体感します。

斜里町立知床博物館見学 

レクチャーと博物館見学を通して、知床の自然の成り立ちや考古遺跡などからみる人々の歴史や、入植時代から現在までの野生生物との関わりなどを学びます。

博物館の仕事を知る 

知床博物館のバックヤードを案内していただき、博物館の仕事を学びます。

知床財団 、知床自然センターで学ぶ

科学的な知見をもとに野生生物の保護管理活動を長く行なってきた知床財団の方のレクチャーを受け、事前学習の内容を深めます。知床では、ヒグマとの共存、増えすぎたエゾシカの食害やその個体数管理等について模索が続いています。

増えすぎたエゾシカ 問題の実際を学ぶ

様々な取り組みを現地で実際に学びます。大型の囲い罠の見学、カゴワナの見学などを通じて、対応の難しさを学びます。

スノーシューウォーク

普段暮らす札幌との違いを体感します。オジロワシやオオワシも姿を現し、天気が良ければ知床連山を望こともできます。

先輩の話を聞く

知床財団で働く先輩の話をきき、将来設計につなげます。やりがいはなんですか?都会が恋しくなりませんか?という質問も。真剣に耳を傾けていました。

流氷で覆われた海

どこから陸でどこから海かわからないほど、流氷が押し寄せています。2月のウトロ は流氷接岸期です。流氷の上のオジロワシ、オオワシを観察します。

学んだことを振り返る 

事前学習で学んだこと、現地であらためて知った事などを班ごとにまとめ発表し、事後学習につなげます。