生態学実習

 今年度は遠隔授業にチャレンジしました。教員が光風園などで実習をおこない、その様子を動画や資料として示してデータを提供し、解析方法などを学びました。サマーセッション期間に、一部対面授業を開催しました。

昆虫採集(2020年度) 
サマーセッション期間に集まり、大学のグランド脇で捕虫網を使用して昆虫採集を行いました。 
標本作成(2020年度)
教室に戻り、感染対策を十分にしたうで、採集した昆虫を同定し、標本の作成法を学びました(実習参加者には、体調管理、手指の消毒、隣人との距離を保つ、換気、マスクとフェイスシールドの着用などが義務付けられました)。
 オンディマンド教材の提供(2020年度)
夏まで学生の入構が禁じられていたため、 教員が実際に実習と同じ作業を行い、その様子を録画・記録して、オンディマンド教材として提供することで実習を行いました。植物標本作成法は、ビデオを見てから各自身近な植物を採集して自宅で標本を作成し、サマーセッション時に持参して台紙にラミントンンテープで貼り付け、ラベルを貼り標本を完成させました。
オンディマンド教材の提供(2020年度)
大学構内にある光風園も学生の立ち入りは禁じられていたため、教員がビデオカメラを持って歩き、実際の光風園の様子を撮影しました。大学の身近な森の植物や鳥類の様子がわかるように、試行錯誤を繰り返しました。

実習の様子

光風園で、野外での振る舞い方、各種温度計の使い方、照度計の使い方など簡単な環境測定法から基礎を学びます。ここでは2019年度まで行われてきた実習の内容と様子をご紹介します。

春季植物の調査 
群度や被度、コドラート調査やライントランセクトについて学びます。 
環境測定法を学ぶ 
様々なタイプの温度計の使い方、照度計の使い方を実践的に学びます。
地上徘徊性動物調査
異なる森林タイプの林床にピットホールトラップを仕掛け、捕獲された種数やその個体数から、多様度指数の算出方法を学び比較します。
野外から戻ってすぐに教室で分析方法を学ぶ 
この写真は実体顕微鏡を使うなどし、種の同定方法を学んでいるところです。その後、データをその場で集計して分析し、結果を表現する方法を学んでいます。
個体数推定法 
フキ群落のサッポロフキバッタの個体数を標識再捕獲法で推定します。事前学習として、BB 弾を用いた模擬実験をおこない、標識再捕獲法への理解を深めてから実践しています。
 動物の行動記録法
野外で実際に動物を観察して行動記録を取り、そのデータから適応仮説等を検討するためには多くの経験を必要とします。このため、実習では円山動物園にて飼育個体の行動の観察をおこなって、その定量的な行動記録法や仮説への導き方を学んでいます。
 標本の作成法
標本は、その時そこにその生物が生息していたという確たる証拠となります。そのため、標本自体が持つ情報とその標本が収蔵された背景に関わる情報の二つが永遠に良好な状態で保存されることが非常に重要です。実習では、植物標本の作成法や蝶蛾の標本の作成法とその扱いについて学びます。 
成果発表会 
グループでの調査と発表を重視し、ポスターやスライドによるプレゼンテーションを行っています。データのまとめやその表現方法、人前でのプレゼンテーションの基礎を身につけていきます。